枚方のたたかい(開幕戦)

 待ち侘びた開幕の日がついに到来。


 今日の舞台は枚方市パナソニックアリーナ。パナのいつもの練習場だ。

 こちらの大会に参戦するのは、パナソニック東レサントリー大分三好の4チーム。
 東レを除く3チームが新しい外国人選手(ジョンパは2年ぶり)を迎え、パナを除く3チームが新しい主将を中心に据え、今季を戦う。


 以下、チームごとに感想を述べてみたいと思う。東レについては語ると止まらなくなるので、別記事に起こす。愛故ですよ、ふふ。

東レ ☆☆

VS 三好 3-2(27-29,23-25,25-21,25-14,15-13)
VS サントリー 3-0(25-22,25-12,25-13)

 多くのファンをヒヤッとさせたであろう初戦とは打って変わって、2日目はMB*1大活躍の快勝で2連勝を飾った。

鈴木 デキ 王/篠田
富松 近藤 米山

L:渡辺/田辺

 スタメン表記は(1日目/2日目)。
 近藤さん・デキさん・富松さん・米山さん辺りは昨季の活躍を見ても軸となってくるだろうし、悠二さんは攻守のバランスが良く、このままスタメン定着する可能性が高いと思う。

 篠さんは足の具合を見ての出場になりそうだが、王さんがターン打ち・リードブロック・ジャンフロサーブなどなど良いプレーを沢山見せていたので、これ以上怪我人が出ない限り、やや苦しいMB事情はそこまで心配する必要はないだろう。
 Lは2人の年齢差を考えても併用していくのではないかと思っているのだが…来週見てみないと何ともいえないところか。

 今季はサーブの強化に重きを置いたようだが、主将がそれを最も体現していると感じた。数年前とは比較にならないパワーと打ち分けだった。ちなみに、悠二さんと俊介さんに代わるピンサは今田さん。サービスエースもあり、なかなかの仕事をしていた。

 数字を見ると、やはり印象的なのは安定したレセプション。今季はどちらかというと守備面でチームを支える米山さんを筆頭に、全員が卒のない返球をしている印象を受けた。セット終盤、越谷さんを彷彿とさせるタイミングで起用された瀬戸口さんは高い返球率を残し、目標を有言実行していた。*2
 コンビミスはやや目立つが、セカンドセッターのトスが全体的に丁寧で、アタッカーの失点が少ないことが白星をあげられた要因でもあるだろう。
 次週はいよいよ因縁のパナとの対決。直近3試合では掴めていない白星を掴めるか。
 

パナソニック ★☆

VS サントリー 2-3(25-22,25-27,25-17,22-25,12-15)
VS 大分三好 3-0(26-24,27-25,25-21)

ジョン 清水 山添
白澤/枩田 宇佐美/大竹 福澤

L:永野

お馴染みたっぷり全日メンバーで来た初戦だが、勝負所の一点が取り切れず接戦を落としたパナ。続く2日目は、今季のメインとなってくるであろう大竹さんをスタメンセッターに据えての布陣で挑み、デュースまで持ち込まれるもさすがの決定力でスト勝ち。

 勇退を発表した宇佐美さんと隆弘さんは、育成を考えるとスタメンで多用してくるとは考えにくいが、三好戦のように、リリーフとして締めに起用される場面が多くなるのではないか。ベテランならではの丁寧かつ巧いプレーは相手チームにとってかなりの脅威だ。
 
 久々に見たジョンパさんは、さすがにあの頃よりもパナにしっかり馴染んでいた。もっとパスとか粗い印象だったのだけど。チアゴほど愛に溢れているわけではないが(笑)

 アタッカー陣はだいたい例年通りだが、福澤さんが決定力を維持しつつも年々守備的になっている印象がある。良いディグが何本もあった。チームで課せられているのかも知れない。いつまでも永野さんに頼りっきりというのもアレだし、良い傾向だと思った。
 もうお一方の髪型に関してはノーコメントだが、細かいプレーが雑だったのは怪我のせいだとよいのだが(敢えて名前は出さない
 
 セカンドセッターを敢えてあまり使わず、とにかくセッターが走って上げるスタイルを見てパナらしさを感じた(褒め言葉)
 ここにMBがもっと存在感を出して(もしくは存在感を出すようなトスが)くると、更に手強いチームになりそう。個人的に、大竹さんは横の使い方よりは縦の使い方が巧いセッターだと思っているので。クイックよりはパイプ。

サントリー ☆★

VS パナソニック 3-2(22-25,27-25,17-25,25-22,15-12)
VS サントリー 0-3(22-25,12-25,13-25)

金子 ウォレス 鈴木
山村 阿部 越川

L:高橋

 スタメンの身長の高さが印象に残っている。武市さんと阿部さんが並んでトス練習をする時は特に。アタッカー達の方が小さいじゃん、などと。
 パナ戦は4セット目以降の粘りが素晴らしかったが、東レ戦では一方的な戦いにされてしまった。

 さて、メンバーがかなり入れ替わり、世代交代が進んでいるこのチーム。やはり目が行くのは移籍選手である阿部さんと越川さん。

 越川さんのディグの精度(位置取りが素晴らしく、ブロックでワンチにかけたボールに素早く対応していた)には、失礼ながらかなり驚いた。膝やPadovaでのプレーの影響もあってか、ダイナミックな攻撃は減ったが、攻守共にバランスが取れた感じだろうか。
 そして、阿部さんは東レにいたころと比べるとやや遅めの配球に見えた。アタッカー達への配慮もあるだろうし。さすがに全日代表選手との息はぴったりな様子。途中、彼のトリッキーなトスにアタッカーが対応できず助走に入れないという場面が何度かあったが、今後は改善されていくかな。ちなみにツーアタックは健在。*3

 前主将の金子さんは、越川さんが対角に入ったためか昨季よりもかなり攻撃型にシフトした様子。バックアタックの決定率の高さと、ブロックアウトの巧さがパナ戦では特に印象的だった。

 新助っ人のウォレスは大柄選手とは思えないほど細かいプレーが巧く、爆発力やスタミナも豊富な様子。昨季よりも馴染んでいるように思えた。

 開幕2戦でスタメン変更が行われなかったが、まだまだスタメンコールを待つ選手は多くいるはず。来週は替えてくるのだろうか。
 
 

大分三好 ★★

VS 東レ 2-3(29-27,25-23,21-25,14-25,13-15)
VS パナソニック 0-3(24-26,25-27,21-25)

石垣 マイケル 小川
徳丸 山田 和人

L:橘

 東レ戦は文字通りの接戦、パナ戦も2回デュースに持ち込んだだけに惜敗という言葉しか出て来ない。
 ドライに言ってしまえば、あと少しのところが取りきれるか否かというのが実力差なのだろうが、昨季ファイナル出場チームをここまで苦しめたというのは大きいと思う。
 昨季辺りからその傾向はあったが、白星勘定できると思ったら大火傷を負うことになるぜ、というところか。

 私は石垣さんのスタメンが初見だったのだが、若手選手らしい溌剌としたプレーが見られた。昨季は病院*4が忙しかったのか、帯同している姿さえほとんどお目にかかれなかったので、彼のスタメンには驚いた。細川さん同様、守備がいまひとつ…というところはあるにせよ、今季経験を積んで行けばWSの層がより厚くなるはず。
 そんな彼の対角で守備負担をまとめて引き受けているのが今季副主将となった和人さんである。彼のレセプションの受け数はV全体でも頭一つ抜けていて、それでいて成功率75%を越えてくるあたり、さすがのひとこと。ただ、攻撃の方は失点の多さが目立った。
 
 昨季散々「トスがー組み立てがー」と言われ続けた山田さんは、ツーアタックも控えめになり(笑)、きれいにまとまってきた印象。寛記さんはまだチームと合っていないようだったが…。
 
 個人的には、小川さんの鋭いクイックと橘さんのしつこいディグ*5が沢山見られて満足。今季は同い年リベロの迫谷さんとは併用していかないのだろうか。
 
 マイケルはとにかく若い(笑)年齢故の粗さや波も今のところは目立っていなかったし、このまま馴染んで行けばしっかり得点源となれると思う。

*1:お一方は前日の怪我が心配された中でのブロック大量生産、もうお一方はバックアタックにツーアタックにトスにMBとは思えないマルチな働きで、MBが主役な試合だった

*2:「サーブカットを武器にしたい」と公式プロフに記載

*3:東レ戦で阿部さんに3枚ブロックが付いた場面があって、不覚にも笑ってしまった

*4:準看護師だったはず

*5:初日、米山さんや富松さんの決定率は彼によって下げられていたといっても過言じゃないと思っている