昨季から今季へ〜主将の変化
はんぶんの打数
10本/セット、4.75本/セット
何の数字かおわかりだろうか。
米山裕太さんが、開幕2戦でアタックとしてカウントされた1セット当たりの本数である。
左が昨季開幕週(一宮)、右が今季開幕週(枚方)。
昨季のイメージで東レを見ていて、米山さんの打数が少ないことに違和感を覚えた方は多いのではないだろうか(私も含め)
打数は、試合展開や対角・入るポジションによっても左右される。この約5本の差にはいろいろな要因があるのだろう。
例えば、昨季の対角選手は主に越谷さんで、昨季開幕戦で米山さんが入ったポジションはは今季とは逆の5だった。
…ということで、昨季の帳票からもうひとつ持ってきた。対象としたのは、昨季で唯一対角選手が悠二さんであり、米山さんがポジション2で入った…つまり、今季と同じ対角及びポジションだったセミファイナル堺戦(花巻)。ここでは、米山さんの打数は1セット当たり9本。それでもやはり昨季の方が多い。
レセプション受け数
では、逆にレセプションに関してはどうか。
昨季開幕2試合では6本/セット、今季開幕2試合では7.75本/セット*1、そして上述のセミファ堺戦では6.25本/セット。
打数が減った分はレセプション負担に回っているのではないか、という推測は成り立ちそうだ。まあ、正直元となるデータが2試合だけでは何とも言えないので、引き続き見て行きたいと思うが。
数字付きで回りくどくなったが、それを踏まえて今季の東レのWS事情を考えてみた。
まず、昨季は攻撃の軸がデキと米山さんだったことはほぼ間違いないと思う。昨季通算の総得点ベスト3はデキ377点、米山230点、越谷108点だった。
しかしそれは、言うまでもなく越谷章さんという偉大な選手がいたからであり、彼が守備で大きく貢献した結果*2、件の2名を攻撃の軸として打ち立てられた…という部分があると思うのだ。
そんな彼が抜けた今季。
枚方では、攻撃は悠二さん、守備は米山さんが中心となっている印象を強く受けた。初戦の三好戦序盤では、敢えて米山さんにボールを回さないような指示が出ているのではと勘繰ったくらいに、ゆーじデキデキゆーじデキだった。恐らく、今季から本格的にスタメンとして据える(ことになりそうな)悠二さんとのバランスを考えてのことだろう。
WSカテゴライズ
豊富な東レのWSを、「ジャンフロのレセプションに入るか否か」でカテゴライズすると、
【入る】瀬戸口 大木 米山 鈴木 角田 今田【入らない】
という感じに概ねなるはず。(あくまで現在のところは)
瀬戸口さんはその起用法(リリーフレシーバー)からもわかるように、守備方面の期待が強くかかっているようだし、誰と対角を組んでもジャンフロレセプションに必ず参加している。
悠二さんは、一昨年まではどちらかというと守備型で、彼がレセプに必ず参加し米山さんがスパイクに専念する、という場面が幾度かあったと記憶している。タイミング的に、瀬戸口さんの入団が転機になったと考えるのが自然かも知れない。
まだ出場機会がない大木さんの役割が気になるところだが…来週辺りにはコートに立つ姿を目にすることができるだろうか。OPに入れるくらいだし、もう少し【入らない】側にシフトしても良いと思うのだが、彼のオーバーハンドレセブション*3は精度高めで確かに魅力的かも。
こうした図式があった上で、今季の主将に求められるポジションは、得点源としての活躍ではなく、チームとして攻撃の引き出しを増やし、かつ次世代の育成を進めていくことなのかも知れない、とぼんやり推測してみた。