折り返しと結束

プレミアリーグ男子は明日より折り返しに入る。
ここまで14試合に亘ってひとつのチームを観戦してきたが、各選手の成長が見えてきている今がとても面白い。


私が応援しているチームは若手の台頭が遅いと言われている。
主なスタメンの最年少が今年29歳を迎える選手だと言えば、他チームの平均年齢を上回っていることが伝わるのではないだろうか。



ある日こっそり「米山裕太がスタメンであるのを当たり前と思って欲しくない。なぜ彼と対角を組むことが最終目標になるのか。WSの枠は2枚あるのに」といったような呟きをしたことがある。
いくつかの媒体で触れられているように、米山さんはスタメンを奪うために文字通り努力を重ね、その結果として入団2年目からスタメン定着し、24歳で全日本に選出されている。
そして今は、チームは彼を攻守の軸として戦っている。
(そんな彼を引きずり落とそうと思う若手がいないのは、これまでと変わらず、あのチームに対する一番の懸念事項でもあるが…)


主将として声を出して、レセプにメインで参加し、セッター隣で難しい場面での得点が課せられ、強いサーブも求められている。


昨季は越谷さんのお陰でかなり負担が軽減されていたため、今季は彼に求められる役割が大き過ぎはしないかとこっそり心配していた。
任された以上は弱音を吐くようなタイプには見えないので、どこかでガタガタくるのではないかと。
また、チームの彼への依存度がより上がってしまうのではないかと。


12月くらいまでずっとそんな懸念を抱き続けていた。


変化を感じたのは、12/9の三島HGと12/15の天皇杯準々決勝である。

富松崇彰と角田辰徳。

上述の二試合、彼らから伝わってくる気迫は素晴らしいもので、そこには主将に頼ろうとする想いは微塵も感じなかった。
ただ、主将の負担を少しでも軽くして、コートをもっともっと熱くしようという気迫のみ。

完全に私見だが、この2人の成長が今季四強入りするかどうかの鍵になってくるのではないかと思っている。


精神論を抜きにした、オーダーやプレーの変化なら12月初めの金岡で見ることができた。

角さんはジャンサからフローターに切り替え、大幅にサーブ効果率を上げた*1
富松さんは*2フローターからサーブに戻し、少なくなったジャンサ陣を補強した。


そして、角さんは金岡の試合からセッター隣となる所謂2番ポジションに入り*3、前衛2枚時、もっと言えばS1時の重要な得点源となっている。



そこから1週間、HGでの惨敗を経た12/9。
新聞記事でも取り上げられたようにこの試合は完全に声と足*4でもぎ取った一勝だと思っている。

この辺りから、背負い込み過ぎてやや浮いていた感のある新主将がチームに馴染んできたというか、米山さんの色がチームに沁み込み始めた感がある。



ある日、今季の彼らの変化について私が感じた限りを伝えてみたことがある。

「米山の負担を如何に減らせるか、そこが全て。昨年までとは意識の度合いが全然違います。レセプ入って貰ってるんだからこっちは決めないとって」
「正直、普通に試合してるよりもすごいしんどいです。無駄に走ってますから。でも、それが僕の役割なんで」



というような答えを頂いて、主将信頼されてるなーとちょっと嬉しくなったりした。


心配されていたアップゾーンの静かさも、この御二人が入って賑やかになり、チームがスローガンでもある「結束」に向けて動き始めていることが伺える。


そして先週は、若手の現状に危機感を抱いていた渡辺さんの奮起があり、ずっとスランプが続いていた大木さんや梅野さんの活躍があり、怪我だった相澤さんの復帰があった。


序盤にスタメンだった悠二さんや瀬戸口さんのリベンジも気になるところ。


怪我人が増えてきて層の厚さが問われる今の時期だからこそ、各選手の成長に注目していきたいと思う。


今週は中盤最大の山場となる、現在上位4チームが揃ってのパナアリ。
負けられない2試合であることは間違いない。

*1:何故あんなに崩しているのか不思議に思うくらいに効いた。特に天皇杯

*2:怪我の様子を見ながらだろうが

*3:そこまでは瀬戸口さんか悠二さんが主にスタメンで、米山さんが2番ポジに入っていた

*4:得点時に走り回ってぐーるぐる