赤白比較

黒鷲旗


本日から黒鷲旗が始まる。




オリンピックイヤー恒例、全日抜きの特別体制で、これまでとは違った戦いが楽しめる6日間になることは間違いない。




故障選手の噂もちらほら耳に入って来ており、万全なチーム状況で戦うというのは難しいようだが、勇退選手にとっては最後の戦い。




どのチームも悔いなく今季を締め括ることができる戦いを見せて欲しい。




…そして5/6、鋭い質問が全日男子こと滝うどんに飛ばないかなーと楽しみにしている黒い私である(笑)



ばれぺで


で、先日改訂版が発売されたバレーペディアの話である。

2010年に発売された頃には、私自身バレーのバの字も危うい状態で、国語辞書のように傍らに置いて勉強させて頂いた。
あれから2年、五輪を間近に控えたこの時期に改訂版が発売されるのをAmazonで知り、発売日を楽しみに待っていた。



表紙は初版の赤に対応して白、Ver.1.2と銘打たれたこの改訂版。

この改訂箇所についてまとめてみた。



1.アタック

■アップデート項目

フェイント、テンポ、ファーストテンポ、セカンドテンポ、サードテンポ、速攻(クイック)、A〜Dクイック(スロット追記)、パイプ攻撃、助走、踏み切り、スイング、ボールインパクト・ボールヒット、フォロースルー、ターン打ち、ツーアタック、ダイレクトアタック


■新掲載項目

スロット、ビック、シンクロ攻撃、テイク・バック


■アップデートコラム

「ファースト・テンポは“はやい攻撃”なのか!?」
「スパイク・スイングの分類」


■新規コラム

「日本と海外の速攻をテンポの視点で比較してみる」


アタックの項では大部分がアップデートされている。
その多くが、スロットやWCで話題に上った「速さ」についての箇所であることがわかる。

なお、写真もかなり差し替えられており、初版に写真選択が適切でなかった部分(スパイク・スイング等)*1はしっかり訂正されていた。



2.サーブ

■アップデート項目

リード・ブロック


■新規項目

ブロック・ステップ、スイングブロック

他、NOTEとして「ハンズ・アップは必要か?」「選択反応時間を短くするための重要性」が追記されている。



3.サーブ

■新規項目

ビッグサーブ

■アップデートコラム

「新型ボールの特徴あれこれ」

初版コラムに寄せられた反響を踏まえてミカサとモルテンの違いに触れてくれている。
こういった双方向な試みは嬉しい。



4.パス、レセプション&ディグ

■アップデート項目

アンダーハンド・パス、ダイビング・レシーブ、ディグ・フォーメーション

他、NOTEとして「ディグにおける構えの選択」が追記されている。



5.トス

■アップデート項目

移動、セット姿勢、平行トス、オープン・トス、ジャンプ・トス、フェイク・セット


■新規項目

バック・セット、ダイレクト・デリバリー、インダイレクト・デリバリー

他、NOTEとして「『速いトス回し』って何!?」「『速いトス』って何???」が追記されており、ここでも速さについて言及されている。

WCで低さと速さについて盛んに議論されたことの影響が伺える^^;



6.ルール&レフェリー

■アップデート項目

アタック・ヒット、競技者交代

■新規項目

リベロリプレイスメント、クイック・サブスティチューション


交代競技者についての改訂はこの項で初めて知った(汗

そう言えば、昨年の黒鷲で初めてリベロの交代が現行のシステムになり、それに伴い森選手や小糸選手の横棒がなくなっていて驚いた記憶がある。



7.ポジション&その他

■新規項目

セッター、ノ―・マーク

他、NOTEとして「なぜ人を『枚』と呼ぶか」が改訂記述されている。



8.大会

■アップデートコラム

用語から見た戦術の変遷(「レゼンデバレーにおいて、新たに各ポジションに要求される役割」追記)、
日本バレーボール学会の設立とその発展(後半追記)


■新規コラム

トップクラブチームによるチャレンジ

加藤陽一氏の手による、つくばユナイテッド Sun GAIAを事例として取り上げたコラムが新規収録されている。
NEC以降も廃部や休部がなくならない現状、クラブチームの視点や手法はもっと注目されていいと思う。


こうした特集が月バレで組まれないかと期待しているのだが…。



と、かなりあっさり目の内容になって(ひとえに私の知識不足が原因)しまったが、改訂版と初版の比較はざっとこんなところである。


初版が早々と完売してしまったのは知っていたが、まさか改訂版が発売されるとは思ってもみなかった。

この先、バレー業界には新たな技術・呼称や時代に即した諸問題が次々と生まれてくるだろうが、Ver1.5,果てはVer2.0が発売され、それらが補完されていくことを願う。

*1:初版掲載、米山裕太選手のボウ・アンド・アロウ・アームスイングは2010年7月号の月バレを参照、と筆者の方に教えて頂いた